Stories for change

インタビューで多様なルーツを持つ人々が語ってくれた経験談(ストーリー)

New Face of Japan (以下、NFoJ) は2019年10月に「多様でインクルーシブな日本社会へ」をモットーに発足しました。ここでいうNFoJは多様性に満ちた日本社会のあるべき姿、日本の「新しい顔」を意味します。 多様なルーツを持つ人々がともに暮らす日本社会は、実は課題も多いのが現状です。その課題はどのようなものなのかを明確にするためにNFoJでは多様な背景をもつ方々にインタビューをしています。そして、インタビューで語られた経験談(ストーリー)からは以下のような課題が浮かび上がってきました。

まず「日本人」というカテゴリーが浮かび上がり、それとの「差異」が強調されることで「排除」や「「差別」の問題が浮かび上がってきました。具体的にいえば、「日本人じゃないよね、ハーフだよね」、「あんたはガイジンだから、私らとは違うよ」、日本人なのに、「お国はどちらですか」、「ガイジンは国に帰れ」のような例があります。このような言葉は、日本社会のどこかで毎日のように飛び交っているという現実があります。言った本人の悪意の有無が問題ではなく、多様なルーツを持つ人々がともに暮らす社会において、他者の尊厳を深く傷つけるような言葉であるという共通認識の欠如が問題だといえます。 NFoJでは、日本社会の新しい顔のあるべき姿を描くためにはまず、日本に暮らす多様なルーツをもつ人の生の声に耳を傾けることにしました。日本社会の一員でありながらも彼らが経験してきた「日本人」とは、差異、排除や差別はどのようなものなのか、そのストーリー(具体的な事例)をまず提示します。そして、これらの課題の解決策として我々一人ひとりにできることは何かについてSNS(インスタグラム、など)を通じて発信していきます。

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「日本人」とは (Who is ‘Japanese’?)
日本で生活してきた中で、友達と話している時や、初めて会った人によく言われるひとことがあるといいます。それは、「日本人じゃないよね、ハーフだよね」というひとこと。さまざまな偏見を含有するこのようなひとことは、当事者にとって、自分のアイデンティティに直接つながる非常に個人的なひとことであるだけではなく、「日本人」を無理やり定義しようとしている言葉です。
差異 (Difference)
日常会話において「あんたはガイジンだから、私らとは違うよ」とか、「日本人は○◯だ」という言説が政治家や学校教育の場において指導する立場にある先生によって繰り返されています。その結果、小さい時からそのような政治環境や教育環境に育つと、日本人とミックスルーツの人や、在留外国人はそれぞれ「日本人」とは異なる存在であるように理解し、言動や行動にそのまま出してしまうことが多くあります。
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差異
Difference
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排除
Exclusion
排除 (Exclusion)
見た目日本人っぽくないからさまざまな文脈から排除されることがよくあります。例えば、日本語が母語で英語が話せないのによく”can you speak English?” と聞かれ、無理に英語でコミュニケーションをする人や、日本人なのに、「お国はどちらですか」とか友達から「こいつ、何人だと思う」とネタにされることもよくあるといいます。
差別 (Racism)
日本人は差別をしないというレトリックをよく耳にするが、NFoJチームメンバーが言われた言葉で「ガイジンは国に帰れ」というのがあります。これ言葉は露骨な差別であり、日本人やそうではなくともこのようなひとことは相手の人権を脅かすひとことです。多様なルーツをもつ人が暮らす社会だからこそ、言葉に、行動に、敏感にならざるを得ません。
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差別
Racism

NFoJでは、当事者のストーリーを共有する手段として対話式のインタビューを行なっています。インタビューで最も大切にしていることは、語られる一つ一つのストーリーを尊重し、それらから多くを学ぶことです。なぜなら、自分がこれまでに経験してきたこと、考えてきたこと、感じてきたことに自分自身で向き合うことはできても、人々にそして社会に発信することは難しいからです。それが辛い過去ならなおさら難しいでしょう。自分の大切なストーリーを語ってくださった方々に感謝と敬意を表します。
- Ryota Takahashi, New Face of Japan, Manager & Team Supervisor